古事記を読んでみようかな!


 今月はじめに、『人はなぜ語るのか』著者の片岡輝先生に同行させていただき、
第10回富山紙芝居コンクール大会に行ってきました。
富山県在住の方、県外の地域からも、手づくり紙芝居の作品を集め、審査で選ばれた優れた作品を24作品の実演を観せていただきました。



 その中で、地方創生や地域伝承をテーマに、紙芝居を使った演劇要素を合わせた実演をされたグループの「古事記」から脚色した『皇子さまと鶴のお話-古事記より』が興味深く、元の古事記がどんな形であったのか、知りたくて……、
さっそく調べてみました。



古事記伝 二十五巻之巻

王垣宮下巻 本居宣長謹撰


故率遊其御子之状者。在於尾張之相津二俣榲作二俣小舟而持上來以。浮倭之市師池輕池。率遊其御子。然是御子。八擧鬚至于心前眞事登波受。<此三字以音。>故今聞高往鵠之音。始爲阿藝登比。<自阿下四字以音。>爾遣山邊之大鶙<此者人名。>令取其鳥。故是人追尋其鵠自木國到針間國。亦追越稻羽國。即到旦波國多遲麻國。追迴東方。到近淡海國。乃越三野國。自尾張國傳以追科野國。遂追到高志國而。於和那美之水門張網。取而鳥而持上獻。故號其水門謂和那美之水門也。亦見其鳥者。於思物言而。如思爾勿言事。



これはさっぱり読むことができません。



古事記伝についての解説は、古事記伝ナビゲートより



「本居宣長の古事記伝」『ちょっと学べる!天理図書館の文学ナビ』(01)

古事記伝ナビゲートより

作者-国文学者 本居信長(1730~1801年)

江戸時代の幕末に活躍した古典文学の研究者の中でも四本の指に数えられ国学の四体人(したいじん)と呼ばれています。また宣長は昼間は町医者として人々の治療に努め、夜は文学研究に勤しむという二足の草鞋を履いていた人物でした。

宣長が生きた時代は、江戸時代の後期の日本で外国から様々な影響を受けていました。またキリスト教や仏教の宗教をはじめ、儒学の考え方、また蘭学、漢学などの学問です。そのような時代の中、外国の影響を受けて失われていった日本人の本来の心を探ろうとする動きが一部から出て来ました。その人たちは日本人の本来の心は、古代史や昔の文学(古典)の中に残っていると考えました。そういった考えのもと、熱心な古典研究が成された学問があります。それを国学と呼びました。

 宣長も同じような思いで、日本で現存するいちばん古い書物「古事記」をひも解くことで、日本人の本来の心を見出すことができると考えました


天理図書館にある古事記「道果本(どうかぼん)」


宣長は江戸時代後期(1798(寛政10)年)から遡ること千年前の奈良時代(712(和銅5)年)に纏められた歴史書「古事記」長い時間をかけて読み解いていきました。

古事記を読み終えた時、実に35年の歳月が経っていました。

誰でも古事記が読める注釈書として、読み方をふり、解説を付けて、全44巻の『古事記伝』にまとめあげました。

宣長は『古事記伝』を書き上げた二年後にこの世を去りましたが、その業績は現代の古事記研究の礎となっているのです。

宣長は書簡のやり取りを通して、弟子の一人ひとりを指導していきました。



さて、私もこんなところから「古事記」を読み始めてみようかとおもいました。


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