子どもに寄り添う
『人はなぜ語るのか (叢書文化の伝承と創造)』
Ⅲ章 新しい語りへの創造へ-子どもに寄り添う
子どもの目と心を持つ代弁者-177頁
子どもに文化を手渡す仕事をしている大人は、誰しもが子どもと同じ立ち位置で子どもに寄り添いたいと願いながら子どもに向きあっています。でも、残念ながらそのつもりの場合もあり、また、全然そんなことには無頓着で、自分の価値観を押し付ける上から目線の人もいないわけではありません。たとえ、満面の笑みを浮かべていても、どんなに美辞麗句を並べてみても、反対に無愛想で、口下手であっても、子どもたちは鋭くその人の本性(子ども観)を見抜いて、心を閉じたりする能力を生来備えています。その大人が子ども好きか嫌いかを瞬時に感じる本能的な力は、身を守るために備わっているのかもしれません。
この章で紹介した本は…
『みんな わたしの-幼い子どもにおくる詩集』ドロシー・バトラー編(岸田衿子、百々佑利子訳 のら書店)
『人はなぜ語るのか (叢書文化の伝承と創造)』ご注文はアイ企画から
価格1,800円+税
・・・・・・・・・・・・・・・・
ドロシー・バトラー(Dorothy Butler)(1925- )
ニュージーランド、オークランド市生まれ。作家、児童文学作家、児童文学評論家、元書店経営者。
参照:子どもの本を知るために - やまねこ翻訳クラブ